日本の伝統工芸の中にはさまざまな漆器があり、日用品から高級品までいろいろなシーンで使われています。
その中でも鎌倉彫は彫刻を施した漆器の代表で、手彫りの繊細さと落ち着いた漆の風合いを兼ね備えています。
今回はこんなシーンにぜひ!!という鎌倉彫の小物にスポットを当てながら、
「鎌倉彫の魅力」「シーン別おすすめの鎌倉彫」「鎌倉彫のお手入れ方法」について紹介をしていきます。
そもそも鎌倉彫とは?
鎌倉彫とは、素地となる木に草花などの模様を彫り、その上に漆を塗り重ねた彫刻漆器のことで、彫刻をより立体的に見せる漆塗りの仕上げ方が特色となっています。もともとは仏具などを作るときに使われた技法ですが、現在ではお盆やお皿などの日用品にも用いられており、箸や箸置きなどの小物も作られています。
鎌倉彫の良さを知る
光沢のある朱塗りや黒塗りの漆器と比べると鎌倉彫はやや落ち着いた印象で、赤褐色の漆の仕上がりが特徴です。雅やかな雰囲気は少ないですが、そのぶん他の漆器や陶磁器と合わせてもなじみやすい良さがあります。とはいえ、同じ色調に浮かび上がる彫刻の美しさには存在感があり、今もなお愛好家は多いです。
また、鎌倉彫は長く使い込むと彫りの凹凸に沿って中塗りの黒い漆の色が透け出てきて、さまざまな表情を楽しむことができるので、長年の愛用でさらなる愛着を感じられることでしょう。
鎌倉彫は草花の模様が多いのですが、江戸小紋のような幾何学模様のデザインもあります。いかにも和風なデザインだけではないので、洋食器やアジアンテイストに合わせてみるのもおすすめです。
こんなシーンにおすすめ!鎌倉彫の小物
こんなシーンで使ってみたい鎌倉彫、特におすすめの小物を3つを紹介します。
名刺盆
会社の受付などでは、名刺を差し出した際に名刺盆で受け取るところもあります。初めて会社を訪れる来客のために名刺盆を用意しておくのは、ビジネスシーンにおけるおもてなしの一つです。
高級感を漂わせながらも落ち着いた感のある鎌倉彫は名刺盆に最適で、自社のロゴなどを彫ったものや自社にゆかりのある絵柄の名刺盆を使用すれば、訪問するお客様にも深い印象を残すことができるでしょう。
実はこの名刺盆、時計やアクセサリーを外した時のトレイとしてもおすすめなんです。
お箸
食事を楽しいひとときとして演出するために、おしゃれな食器は欠かせません。
そこで鎌倉彫のお箸を使ってみてはいかがでしょうか?
鎌倉彫のお箸は手彫りの凹凸が手になじみやすく、口に触れる木の温かみも感じられます。食卓での話題にもなりますし、その質感が食事をより味わい深くしてくれることでしょう。
姫鏡
昔から漆塗りの手鏡は女性にとっての必需品でした。現在でも鎌倉彫の手鏡は大変人気があり、お母さんから娘さんへと親子二代に引き継いで使っている人もいるくらいです。
そんな手鏡をコンパクトにしたのが姫鏡です。
鏡の直径は7cm弱と小さめですが、バッグに入れて持ち歩くことができますし、お気に入りの花が彫られた姫鏡を人前でさりげなく取り出してみれば、注目されること間違いありません。
鎌倉彫の手入れ方法
漆器といえば、お手入れがなかなか大変と思っている人も多いのではないでしょうか?
でも実は、木綿などの柔らかい布で乾拭きするだけで十分なのです。
ご紹介した名刺盆や姫鏡などは、まめに乾拭きをするだけでツヤを保つことができますし、細かい傷なども自然に目立たなくなり使い込んだ風合いが増してきます。
そう、まさにレザーやデニムなどを長年使い込んだ感覚と同じなのです!
水洗いもOK
お箸については、通常の食器のように食器用洗剤を使って水洗いをしても問題はありません。その場合にはたわしのような硬いものではなく、柔らかいスポンジなどを使うと良いでしょう。
ただし、食器洗浄機や電子レンジの使用は劣化やひび割れの原因となるのでご注意を!
日光と乾燥は苦手
直射日光などの紫外線や過度の乾燥は、漆器にとっては天敵とも言えます。漆のツヤが失われたり色あせをしたりと美しい表面が台無しになり、素地が変形をしてしまうこともあります。まとめ
鎌倉彫を日常に取り入れてみたい人には、これらの小物がおすすめです。いずれも自分で愛用するのはもちろん、ギフトにも最適です。天然の素材を使用しているので、お箸などは小さなお子さまにも安心でとても好評です。鎌倉にある「山水堂」のお店では、ご紹介した名刺盆・箸・姫鏡のほか、さまざまな小物を多く取り揃えており、観光の記念やおみやげに最適です。鶴岡八幡宮など鎌倉の名所へ起こしのときは、ぜひ当店へお立ち寄りくださいませ。